変則日記(シラフ)

友人の車の中からなにげなく外を見ていて、どきわくランド、という名の漫画喫茶を見つけ一人ハマる。友人からそんなに面白いかとたずねられるられる。そうかもしれん。俺の頭の中ではどきわくランド、という名前がつくまでの乱暴かつ投げやりなストーリーが浮かんでいた。
また、何がいいの?と訊かれたら何がって何がですか?と丁寧に聞き返すかあるいは、キャプテンビーフハートですな、はは、と手を後ろに組んで状態をややのけぞらせながら答える。アバンギャルドではない。ブルースですよお父さん、(手を耳に当ててひそひそ声えで)お父さんのためのワイドショー講座ですよ、おばあさん。イッー!
また、手のひらを額にぱちん、とあてて、空を見上げ、ははっ、皆無価値じゃないか、はははっ、と落胆とも前向きな諦めともとれる笑いを笑ったら最寄の駅のホームから美人の先生が見えるダンス教室に行くのがよろしい。バナナをかごに山盛りにして手土産に、元気よく、やっほ、と言い、のれんをくぐりバナナとロマンで乾杯。見ただろ、俺がコーナーを攻めるとこ、そうそう、無謀にも坂を駆け上がっていったのさ、あ、夜だからサングラスは外そうね、だから土手で昔の珍しいカンを拾うんだよなあ、アイツめ。そうなの、今夜がデビューなの、と妹が言ったっけ、お、もうこんな季節が、いやいや、ははっ、だいぶ僕は酔っ払っちゃってますよ、自分に。その時だった、トンネルと思われる巨大な空洞から一対の半月刀が飛んできてそれを男はうまく片手に一本づつ受け取るとバギーにまたがり狂喜乱舞したのであった。夏がきてるって、へ?そ、そうなの?ああ、俺だって17の頃にもどりてえさ、そう言うと、インド(あだ名)は天にも昇りそうな表情をしたのであった…。