お昼の十二時。僕は、待ってました!、と言って8チャンネル、いいとも、をつけた。
そのままぼんやりと見ていたのだがスマップの携帯着メロベストテンをあてろ!みたいな(だっけ?)コーナーをやっていて、おいおい、まてよ莫迦野郎、ハンバーグ面、と思ったですよ。
なぜならばスマップの曲なんて俺まじめに聴いたことないのに知ってる曲ばっかでそれ自分の着メロにしちゃうのかよってことでよー。それ以前にスマップの着メロって皆意外と使ってんだ!と思ってさ。そんな誰でも知ってるし使ってる曲で電話呼び出されてもつまらないじゃない!
もっと自分らしさを出さなきゃ!自分って人間は世界にたった一人だけなんすよ!だから頑張って!!ナンバーワンよりオンリーワンなんだよっ!!
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炊飯器がうんともすんともいわんくなった。明日食う米がない。頭を垂れる。
一瞬鍋で炊けるかな?と思いネットで調べてやってみた。でもこういういきなり襲ってきた不幸に対処しようとしたときって絶対に上手くいったためしがない。その昔、色ビデオを2時間ぐらい厳選して借りてきて、見ようとしたらデッキの調子がよくなくて分解しても全く意味がわからなく途方にくれて肘や膝を落としているうちに完全に壊してしまったことがある。というかそんなのばっかだ。俺の人生は一言で言えば、負け癖がついている。
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約三十分後、ふっくらごはんができあがった。
ボークはそれを目の前にしてこう思ったんだね、俺は基本的にのび太君だが今のところまだドラえもんは必要ねえかも、と。深夜に白飯だけをばくばく喰らいながら久しぶりにマルコメ味噌のCMの子供のようににっこり微笑んだのだった。
いっぽうそのころ、東京都日野市のとある工場の片隅。市原チーフを中心にポケットからささいな不幸でもたちどころに都合の良くなる道具を出すネコ型ロボットの開発が着々と進んでいるのだった。将来必要とするであろう俺のために…。不気味に…。